中学受験の算数は、小学校の算数とは大きく異なります。
小学校の授業では、基礎的な計算や概念の理解が中心ですが、中学受験ではそれを応用した高度な問題が出題されます。
特に、比・割合・速さ・図形・数論などは、中学受験特有の解き方が求められるため、単純な暗記では太刀打ちできません。
また、中学受験の算数は、合否を左右する重要な科目です。国語や理科・社会に比べて得点の差がつきやすく、特に難関校では算数の配点が高い傾向があります。例えば、渋谷幕張中学の算数の試験では、合格者平均が54.9点、受験者平均が37.7点と大きな差が生じています。このように、算数が得意かどうかで合格の可能性が大きく変わるため、しっかりとした対策が必要です。
算数を得意にするためには、まず基礎計算を確実にし、応用問題に取り組む力をつけることが大切です。
また、日々の学習を積み重ねることで、解き方のパターンを身につけ、試験本番でも落ち着いて問題を解くことができます。
中学受験の算数は、小学校の算数じゃない!
中学受験の算数は、小学校で習う内容よりもはるかに難易度が高く、応用力が求められます。
例えば、
- つるかめ算、植木算、旅人算などの特殊算
- 比と割合を使った複雑な文章問題
- 平面・立体図形の難問
これらは小学校の授業では扱わないため、塾でしっかり学習することが必要になります。

● 難関校ほど「思考力」が求められる
難関校の入試問題は、単純な計算問題ではなく、「どの考え方を使うべきか?」を問う問題が多く出題されます。
そのため、公式を覚えて適用するだけではなく、「なぜその公式を使うのか?」を理解する力が必要です。
中学受験を目指すほとんどの受験生は中学受験塾に通い、中学受験に向けた算数の勉強をしています。
なぜなら難関校の中学校は、それを前提とした入試問題を作成しています。
だから、中学受験で難関校を目指す場合は、塾で中学受験向けの算数を学ぶことはほぼ必須だと考えて良いでしょう。
なぜ算数が苦手な子が多いの?
中学受験の算数が苦手な子は少なくありません。
私も小学生の頃は苦手でした。
私の子供も苦手です。
その理由の一つは、「どうやって解けばいいのかわからない」ということがあります。
算数は他の科目と違い、単純な暗記では対応できず、理解力と応用力が必要です。
特に、つるかめ算・旅人算・速さ・立体図形などの問題は、しっかりとした考え方を身につけていないと解けません。
また、算数の問題は単純に難しく、考える力を要します。
例えば、比を使った問題では、与えられた条件を整理しながら解かなければならず、慣れていない子にとっては非常に難しく感じられます。
そのため、基礎をしっかり固め、少しずつレベルアップしていくことが大切です。
さらに、算数は勉強時間の確保が重要です。計算力をつけるためには毎日トレーニングが必要で、応用問題にも取り組む時間が必要になります。受験生の勉強時間のうち、7割以上を算数に充てるべきとも言われるほどです。
算数を苦手にしないためには、日々の学習習慣をしっかりと確立することが求められます。
基本的な計算が苦手な子は、途中計算でミスをしてしまい、正しい考え方をしていても得点につながらないことがあります。
難しい!考える力が必要
特に、中学受験の算数が小学校で習うよりもすっと難しいです。
中学受験の算数では、計算力だけでなく、理解力や思考力も求められます。
入試本番では、公式を覚えて、そのままそれを使えば点を取ることができるような単調な問題は少なくなっています。
いくつかの条件を紐解き、どのような公式、考え方を使うべきかなど、応用力が求められることがほとんどです。
そのため、受験生の中でもかなり得点差がついてしまいます。
例えば、2025年渋谷幕張の算数入試は100点満点ですが、合格者平均は54.9点、受験者平均は37.7と17.2点の差があります。
合格するには、少なくとも半分以上の正答率が必要になっています。
大人は方程式で解いてしまいますが、方程式を使わずに解くこともポイントになっています。
算数の基礎がないと、実際に入学してから基礎力不足で落ちこぼれてしまいます。
実際に、算数で解くことは中学受験を経験した子供にしか解けない解き方とも言えます。
十分な勉強時間が必要
範囲が膨大で、しかも難しい問題が出題されるため、勉強時間が必要となります。
勉強時間の7割以上は算数になると言ってもいいでしょう。
まずはしっかりと勉強時間を確保することが大切です。
中学受験の算数に求められる力
中学受験の算数の成績を伸ばす勉強方法をご紹介する前に、どのような力が求められるのかをご紹介します。
①計算力

算数の基礎となるのが計算力です。どんなに難しい問題でも、計算ミスをしてしまうと正解にはたどり着けません。
そのため、計算ミスを防ぐ練習が欠かせません。
計算力を鍛えるためには、毎日計算練習をするのが効果的です。
塾から配布される計算問題集や、市販の計算ドリルを活用し、毎日コツコツと練習しましょう。
中学受験では、基本的な計算問題も出題されます。
例えば、小数や分数の計算、割合の計算などは確実に解けるようにしておくことが重要です。
また、平方数や3.14の計算などは、頻出の計算式を覚えてしまうと効率よく解けるようになります。
三角数、四角数、平方数、3.14の計算など覚えておくと受験では必ず役にたちます。
以下の記事では、中学受験の算数において覚えておいた方がよいこと13選をご紹介しています。
難関校を目指す受験生はすべて必須な知識です。
②想像力

中学受験の算数では、問題文の内容を頭の中でイメージする力が求められます。
特に、旅人算や立体切断、図形の移動問題などは、状況を頭の中で描くことができなければ正解を導き出すのが難しくなります。
問題文を読んで「どの数字が重要なのか」「どのように計算すればよいのか」を考えながら解くことが大切です。
解法をそのまま覚えるのではなく、問題の構造を理解し、図や表を使って考える習慣をつけると、応用問題にも対応できるようになります。
子供は面倒くさがって図を書きたがらないことが多いですが、できるだけ書くようにさせる訓練をするといいでしょう。
習慣にすることで、想像力を育成することにも繋がります。
③ 効率よく解く力
算数の試験では、限られた時間の中でいかに効率よく問題を解くかが重要です。すべての問題にじっくり時間をかけていては、試験時間が足りなくなってしまいます。そのため、「この問題はこの方法で解く」「この計算はこうすれば早い」という感覚を身につけることが大切です。
例えば、速さの問題では「距離=速さ×時間」の公式を使うことが基本ですが、問題によっては別の視点で解いたほうが簡単な場合もあります。いくつかの解き方を知っておき、最適な方法を選べるようにしておくとよいでしょう。
親ができる具体的なサポート方法
毎日の計算トレーニング
計算ミスが多い子には、毎日少しずつ計算トレーニングをさせるのが有効です。
- 毎日10分でも良いので、計算練習の時間を確保する
- 計算の仕組みを理解させ、筆算や暗算のコツを教える
- 3.14の掛け算、平方数(1²~20²)など、よく出る計算を暗記させる

計算トレーニングは、毎日コツコツと続けることが大切です。計算のスピードと正確さが上がれば、応用問題に取り組む余裕も生まれます。塾の宿題や市販の計算ドリルを活用し、計算ミスをなくすことを目指しましょう。
図で書く
算数が苦手な子の多くは、頭の中だけで考えようとするため、途中で混乱してしまいます。
- 必ずノートに図を書く練習をさせる
- 立体図形の問題では、実際に図形を描いて考えさせる
- 線分図や面積図を使うことで、問題の構造を理解しやすくする

中学受験の算数では、問題を解く際に図を書くことが重要です。特に、図形の問題や速さの問題では、頭の中だけで考えず、紙に図を書いて整理することで理解が深まります。面倒くさがらずに図を書く習慣をつけることが、算数の成績向上につながります。
基本問題の繰り返し演習と解きなおし
算数は「やりっぱなし」にすると、定着しません。
- 一度解いた問題を、数日後にもう一度解き直す
- 間違えた問題は「なぜ間違えたのか」を親子で話し合う
- 解説を読んで理解できたら、類題を解いて知識を定着させる

基本的な問題をしっかりと解けるようにすることが、成績向上の近道です。いきなり難問に挑戦するのではなく、まずは基礎問題をしっかりと理解し、その後に応用問題に取り組むようにしましょう。基本レベルの問題を繰り返し解いて定着をはかります。
苦手単元を重点的に対策する
算数が苦手な子は、特定の単元だけ極端に苦手なことが多いです。
- どの単元が苦手かをリストアップする
- 苦手単元を優先的に学習するスケジュールを組む
- 個別指導塾や家庭教師を活用して、苦手単元を集中的に学ぶ
学習計画を立てる
算数は範囲が広く、計画的に勉強しないと間に合いません。
- 毎日の学習時間を決め、スケジュールに組み込む
- 週ごとに学習目標を設定し、達成度をチェックする
- 直前期には、過去問を解く時間をしっかり確保する
算数を得意にする塾の活用方法
塾の宿題を完璧に!
SAPIXや四谷大塚、早稲田アカデミーなどの集団塾では、宿題の量が多く設定されています。塾の宿題をしっかりこなすだけでも、算数の基礎は固められます。
- 宿題を後回しにしない
- 解き方が分からない問題は、そのままにせず、親や先生に質問する
まずは塾の宿題にしっかり取り組むことを目指しましょう。
難関校を目指す塾のカリキュラムは、習得すべき項目が網羅されています。
毎日宿題にしっかり取り組むとこが大切です。
個別指導や家庭教師の利用
塾の授業についていけない場合、個別指導や家庭教師を併用するのも効果的です。
- 苦手単元を重点的に教えてもらう
- ついていけなくなった範囲を復習する
- 1対1の指導で理解を深める
サピックスや早稲田アカデミーのカリキュラムは、難関校を目指す層がターゲットとされています。
そのため、塾の毎週の授業についていけないという場合は、場合によっては個別指導塾や家庭教師の利用を検討したほうが良いかもしれません。
理解できていない単元などの復習をしっかり補って、子供の理解力などをしっかりと踏まえ、適切なペースで勉強を進めることができるようにサポートしてあげてください。
一歩一歩学習を進めることで、目標校に向けての学力が身についていきます。
分からない問題や苦手な単元などの補足にも、個別指導や家庭教師を併用し、集団指導塾の毎週の勉強をサポートしてもらうことも有効です。
まとめ
算数は中学受験で最も差がつく科目です。しかし、適切な学習方法を取り入れれば、苦手な子でも十分に得点力を伸ばすことが可能です。。基礎を固め、応用問題にも対応できるようにするためには、日々の学習の積み重ねが必要です。今回紹介した勉強法を活用し、効率よく成績を伸ばしていきましょう。算数を得意科目にすることで、志望校合格の可能性を高めることができます。
✅ 算数克服のポイント
- 計算力を鍛える → 毎日のトレーニングが大切
- 図を描く習慣をつける → 問題を視覚化する
- 解き直しを徹底する → 知識を定着させる
- 苦手単元を明確にする → 優先的に対策する
- 塾や家庭教師を上手に活用する → 適切な指導を受ける
お子さんが算数に自信を持てるよう、親としてできるサポートを実践しながら、合格を目指しましょう!